【先生の本】 山下先生 『日本経済のことが面白いほどわかる本』

山下景秋著 『日本経済のことが面白いほどわかる本』(中経出版、2002年)


日本経済のことが面白いほどわかる本

日本経済のことが面白いほどわかる本


山下先生ご自身から、この本の紹介文です ↓



 日本は、90年にバブルが崩壊した後10数年の間平成不況という深刻な不景気に苦しむことになりました。多くの人はなぜこのような不景気になったのかニュースを見てもよくわからずモンモンとしていました。そこで私は02年に、なぜ不景気になったのか、どういう対策がとられてきたのか、どうすればよいのかを、中学生にもわかるようなはなしことばでこの本を書きました。おかげで発売後1年で5万冊売れ、大きな本屋では9列も私の本が平積みされました。その後、『ビッグトゥモロー』という雑誌に「日本の景気を山下教授に聞く」という10ページ近い特集が組まれたりもしました。金銭的にはこれで田園調布に家が建ったわけでもなく、青山で紳士服を久しぶりに新調したにすぎません。
 グーグルの読者評価の中には「簡単すぎる」というものもありますが、読めば簡単かもしれないけれど、書くのはホント大変なのです。簡単に書くためには、複雑極まりない問題の本質をズバッと把握しなくてはならないので意外に難しいのです。実に1年間、休日はすべてこれの原稿書きにあてました。正確に言うと、このほとんどの時間は実は書けない時間です。いざ筆をとるまで構想を練りにねるからです。文章を実際に書く時間よりも考えるこの準備の時間の方が圧倒的に長いのが実情です。
 いまは、現在の世界的な経済危機に関する本を執筆しようと構想をねっています。


(国際社会システム専修 教授 山下景秋)