【先生の本】 杉浦功一著  『民主化支援』

杉浦功一著 『民主化支援―21世紀の国際関係とデモクラシーの交差』(法律文化社、2010年)。


民主化支援―21世紀の国際関係とデモクラシーの交差

民主化支援―21世紀の国際関係とデモクラシーの交差


杉浦先生ご自身から、この本の紹介文です ↓


 本書は、現代の国際関係において注目されながらも研究の乏しい民主化支援活動についてまとめたものである。
本書で扱う「民主化支援」とは、その言葉から想像されるような技術的な「援助(aid)」だけではなく、軍事的な介入や外交的圧力も含む、民主化のための「支援(support)」活動全般を示すものである。選挙を行う際の投票箱の援助から、デモが続くタイのように政権が選挙で選ばれたにもかかわらず不安定な政権への助言・申し入れ、ミャンマーのように軍事政権を続ける国家への経済制裁の実施まで、民主化支援にはいろいろな活動がある。特に日本にとっては、中国の「民主化」をどのように働きかけるのかが大きな課題だろう。
 正直、部数が限定された専門書であり、定価も4600円と高く、学生の皆さんには手を出すのが難しいかもしれない。それでもメディアセンターには入っているので、関心のある人は手に取ってみてください。

(杉浦 功一 国際社会システム専修 准教授)