学類長あいさつ

学類長あいさつ

 国際社会システム専修ブログ「コクブロ!」の開設にあたって



心理・社会学類長
国際社会システム専修
 伊能 武次


 和洋女子大学人文学群の国際社会システム専修ではこのほど専修のブログを立ち上げました。この機会に、専修の教育課程全体を調整する役割を担当する教員として、ご挨拶をしたいと思います。
国際社会システム専修は、2008年度に実施された大学全体の再編に際して、それまでの国際社会学科を発展的に継承して立ち上げた学びの場です。私たちの専修では、それまで国際社会学科が掲げてきた基本的な教育理念と目標とを継承しつつ、近年の国際社会における著しい変化に目配りして、教育課程を充実させました。専修の教育課程の特色は、その英語表記が示唆しているところです。これまでのDepartment of International Social Studies(国際社会学科)から、Major in Global Social Studies(国際社会システム専修)へと英語表記を改め、グローバルな世界へと変化する国際社会について学び、理解することを明確にしました。グローバル化するにつれ、国際社会は全く新しいタイプの問題に当面するようになり、国際社会の理解は、これまで以上に広く深く理解することがますます必要とされています。そのためのひとつの対応として、国際社会システム専修では教育課程の具体的な編成において、いくつかの目玉となる工夫を凝らしました。
専門教育科目における導入科目の開設と充実は、そのひとつで、1年次に必修科目として「基礎ゼミ」、「国際社会システム入門」、「国際比較社会入門」を設定しました。これにより、カリキュラムの支柱をなしている2年次以降のゼミによる教育を導入部分で補強することとし、入り口から出口までの教育の強化を図りました。また、2年次以降の専門外国語科目では英語、中国語、韓国語を重点科目として推奨し、これらの実践的な運用能力の養成を目的として掲げました。とりわけ、学習のパフォーマンスを向上させるために、英語科目(「国際コミュニケーション英語」)では週1回の授業を週2回の授業へと授業形態を変更して実施するものです。この他、3年次から履修する世界の諸地域についての国際地域研究と有機的に結びつけるための科目として「国際フィールド・ワーク」があります。この科目はNGO主催のエコ・ツアーやスタディー・ツアーなどに個人として参加する学生の意欲と関心を評価して単位化する試みであり、国際社会の理解にとって、現地を見ることの大切さを学んでほしいというねらいがあります。
国際社会システム専修では、「就職に強い国際社会学科」という内外の評価を更に強化するための工夫も凝らしています。高い就職率は、国際社会学科における2年次以降の必修科目である少人数ゼミによる教育が学生のコミュニケーション能力の習得に貢献したことによっていますが、専修では、引き続き、ゼミ教育を充実させるとともに、他方で、「国際ツーリズム」や「観光実務論入門」など就職支援に直接結びつく科目を新たに開設することで、「就職に強い」国際社会学科の伝統を補強し、不透明感が強まる雇用市場に対応したいと希望しています。